ヨヘン・レンペルト|Fieldwork — せかいをさがしに
2016年10月28日(金)― 2017年4月2日(日)
このたび IZU PHOTO MUSEUM は、ヨヘン・レンペルト(1958年ドイツ・メールス生まれ)の個展を国内の美術館としてはじめて開催します。
10年以上にわたる生物学研究を経て、ドイツ・ハンブルクを拠点に写真家として活動するレンペルトは、動物や植物、昆虫、人間といった多様な生きものと自然現象をモチーフとして、これまで一貫してモノクロフィルムを用いた作品制作を行ってきました。自身によりフィルムからプリントされ、アナログの質感が保たれた作品は、科学的知見に支えられた精緻な記録であるだけでなく、生を受けたものたちへの温かな眼差しを感じさせます。
写真表現を牽引してきたドイツで新たな表現を確立したレンペルトがつくり出すユーモアあふれる構成と独特の直貼り手法により、作品たちが展示空間で有機的に絡み合い、私たちの暮らす地球の成り立ちにおける複層的な「せかい」と「つながり」を自由に連想する楽しさを教えてくれます。
本展では、絶滅した海鳥を記録し続ける代表作の《オオウミガラスの表皮》(1990-2016)、生態系でのつながりと共存を示唆する《ベラドンナ》(2013)、生きものの多様なフォルムを収めた《対称性と身体構造》(1995-2016)、さらに顔つきをモチーフとした《顔相学的試行》(2002) まで、最新作も含めた100点を超える作品を展示します。

《アンテロープ》 2013年

本展の見どころ
■国内の美術館としてはじめての個展を開催
ドイツ・ハンブルクを拠点に活動するヨヘン・レンペルト。ドイツや米国の美術館での個展をはじめ、近年世界各地で展覧会を開催するレンペルトの作品が紹介されるのは、日本国内の美術館では初となります。

■生物学の知見に基づいた独特の世界観
バラエティに富む対象が撮影された作品は、科学的な理解に基づいた精緻な記録であるだけでなく、生きものに対する温かなまなざしと人間を含め生きものを捉える広い視点を備えた独特の世界観が反映されています。

■ユニークな展示構成とインスタレーション
レンペルトが手がける展覧会は、額装されていないバライタ紙をテープで直接壁に貼付ける手法で制作されます。撮影時期も生物種も異なり一見関連性のない被写体の収められた作品たちが、展示空間のなかで互いの境界線を飛び越え、有機的に絡み合います。そして、この地球の成り立ちにおける複層的な「せかい」と「つながり」の存在の可能性を自由に連想するという体験へと私たちを導きます。



主な作品の紹介

《オオウミガラスの表皮》より 1990-2016年
《ベラドンナ》 2013年

《顔相学的試行》より 2002年
《対称性と身体構造》より 2005年

ヨヘン・レンペルト について
1958年ドイツ・メールス生まれ。1970年代後半からおよそ10年間にわたりシュメルツダヒン(Schmelzdahin)の一員として、映像制作・パフォーマンスを行い、写真を用いた制作活動は1990年代前半より始める。並行して1980年よりボン大学にて生物学を学び、10年以上にわたり研究活動を行うなど自然科学に精通した作家である。
現在は、ドイツ・ハンブルクを拠点に活動。近年は、バンクーバー現代美術館(カナダ、2016)、シンシナティ美術館(米国、2015)、ハンブルク市立美術館(ドイツ、2013)、ルードヴィヒ美術館(ドイツ、2010)ほか世界各地で個展が開催され、フォルクヴァング美術館(ドイツ)、ドイツ連邦共和国現代美術コレクション(ドイツ)、国立造形芸術センター(フランス)、ハイス・マルセイユ写真美術館(オランダ)ほか多数のパブリックコレクションにて作品が収蔵されている。2014年には国際的に最も評価の高い現代写真賞のひとつであるドイツ証券取引所写真賞にノミネートされている。
《北海航行》より 2009年

関連イベント
■アーティストトーク*終了しました。
ヨヘン・レンペルト本人による作品解説のほか、参加者の方からのご質問にお答えします。
日時:10月29日(土)14:15—(当館受付カウンター前集合、約50分間)
料金:当日の入館券のみ、申込不要

■特別レクチャー「せかいをさぐる写真家の眼」*終了しました。
レンペルト作品の魅力や現代におけるその意義と可能性についてお話いただきます。
ゲスト:松井 みどり(美術評論家)
日時:2月26日(日)14:30—16:00(開場14:00)
場所:クレマチスの丘ホール
料金:当日の入館券のみ、要申込
申込方法:電話によるお申込(Tel. 055-989-8780)
イベント特設ページ

■学芸員によるギャラリートーク
本展担当学芸員が展覧会と作品についてわかりやすく解説します。
日程:11月12日(土)、12月10日(土)、[追加開催]12月23日(金・祝)、1月14日(土)、2月11日(土)、3月11日(土)、[追加開催]3月25日(土)
時間:14:15—(当館受付カウンター前集合、約30分間)
料金:当日の入館券のみ、申込不要

■親子向けギャラリートーク
展示作品を一緒に読み解きながら展覧会を楽しみませんか。
対象:小学校1—3年生と保護者の方
日時:3月18日(土)14:15—、[追加開催]3月26日(日)11:15—(当館受付カウンター前集合、約40分間)
料金:当日の入館券のみ(小学生無料)、申込不要

展示風景 〈植物採集箱〉 2014年
関連書籍
『ヨヘン・レンペルト』(限定1,000部)
国内の美術館における初の個展開催を記念した限定版写真集
刊行日:2016年10月28日
発行:IZU PHOTO MUSEUM、発売:NOHARA
定価:本体 1,800円+税

主催|IZU PHOTO MUSEUM 後援|ドイツ連邦共和国大使館
All images ©︎ Jochen Lempert. Courtesy BQ, Berlin and ProjecteSD, Barcelona