Fiona Tan Ascent|フィオナ・タン アセント
2016年7月18日(月・祝)—10月18日(火)
この度IZU PHOTO MUSEUMでは、映像作家として国際的に評価の高いフィオナ・タンの個展を開催いたします。タンは近年日本国内において、金沢21世紀美術館(2013年)、東京都写真美術館、国立国際美術館(2014-15年)と、3度の大規模な個展を開催してきました。今回のIZU PHOTO MUSEUMでの個展は、富士山をモチーフとした新作《Ascentアセント》を中心に据えて構成されます。
巧緻に仕立てられたインスタレーションとして知られるタンの作品は、アイデンティティ、記憶、そして歴史を探る試みと言えます。またそれらのテーマを主題としながら、視線そのものについての問いを内包しています。それは私たちが映像を通して、周囲の世界に向ける視線であると同時に、鏡のようにときに私たちを見つめ返すような映像からの視線でもあります。本展では、映像インスタレーションと写真インスタレーションの2パートによって構成される《Ascentアセント》を中心に、初公開作品数点を含む展示構成でご紹介いたします。


Ascent | アセント
Ascentアセント》は、本展のために新たに制作されたタンのインスタレーション作品です。富士山との出会いを出発点として、富士山を被写体とした約4000枚にも及ぶ一般から寄せられた写真や、当館のコレクションをもとに制作されました。本作は、映像インスタレーションと、隣接する展示室に並ぶ写真インスタレーションによる2部構成となっています。
富士山を被写体とした古今の写真群からイメージをモンタージュすることで制作された《Ascentアセント》は、富士山の特異性や、この山と人との関わりについての考察にとどまらず、視覚文化において語られてきた歴史、さらには映画の歴史にまでも視野を広げています。そこに描き出される世界は、「雲がときに富士山の姿をその合間から現したり、またときにその姿を覆い隠したりするように、数千ものイメージが雲のように山を取り巻く」世界であるとタン自身が語るように、ものごとの可視性/不可視性やその距離感についての深い思索へと導きます。ボイスオーバーによる物語は、浮世絵の時代から第二次世界大戦へ、帝国主義の時代から現代のツーリズムへ、また写真の黎明期から現代へとフィクションと歴史の間を、登山のようにジグザグに蛇行していきます。クリス・マルケルの《La Jetéeラ・ジュテ》といった映画史上に残る傑作をも思い起こさせる本作は、視覚のエッセイとも言えます。

Ascent (2016), Fiona Tan, still
Ascent (2016), Fiona Tan, still
Photo:Yamanashi Prefecture

本展は映像作品《Ascentアセント》の上映から始まりますので、上映時間をご確認の上ご来館ください。
上映中のご入館はご遠慮ください。
Ascentアセント》上映開始時間は以下の通りとなります。
(上映時間:77分)
10:15 / 11:45 / 13:15 / 14:45 / *16:15(7・8月のみ)
*お席に限りがございますので、事前ご予約も承ります。当日満席の場合は立見となりますので、ご了承ください。ご希望のお客様はお電話にてご予約ください。
IZU PHOTO MUSEUM:055-989-8780



展示作品
Ascentアセント》(2016)|2部構成:HDインスタレーション、写真インスタレーション、和英字幕付き|ナレーション:長谷川博己、フィオナ・タン
Hydriotaphiaハイドリオタフィア》(2016)|音声作品、和訳付き|ナレーション:アンドリュー・ベネット
Cloud Study Iクラウド・スタディ I》 (2010)|写真作品
Cloud Study IIクラウド・スタディ II》(2016)|ビデオインスタレーション

フィオナ・タン
中国系の父と、オーストラリア人の母のもとに、インドネシアで生まれたフィオナ・タンは幼少期をオーストラリアで過ごす。アムステルダムのヘリット・リートフェルト・アカデミー、ライクス・アカデミーに学び、現在はドイツのカッセル美術大学で教授を務める。作品は横浜トリエンナーレ(2001年)、ドクメンタ11(2002年)など多くの国際展で展示され、2009年のヴェネツィア・ビエンナーレではオランダ館の代表作家となる。近年の個展としては、イギリスのニューキャッスル市バルト海現代美術センターで「Depot」展(2015年)を開催、現在ルクセンブルグのジャン大公現代美術館にて「Geography of Time」展を開催中(今年9月にフランクフルト近代美術館に巡回予定)。初の長編映画となる《History’s Future》 (2016年)はロッテルダム国際映画祭のタイガー・アワードやゴールデン・トレーラー・アワードにノミネートされた。
Ascent (2016), Fiona Tan, still
Photo: mitsuru AsakurA
Ascent (2016), Fiona Tan, still
Photo: nakano yuko
Ascent (2016), Fiona Tan, still Ascent (2016), Fiona Tan, still
Photo: Takahiro Yamamoto   Photo: Unknown (Collection of
                Izu Photo Museum)

Ascent (2016), Fiona Tan, still
Photo: 遠藤進
Ascent (2016), Fiona Tan, still
Photo: Unknown (Collection of Izu Photo Museum)
*掲載画像は新作《Ascentアセント》のために一般の方から投稿されたものを含み、その際の応募者名をそのまま記載しております。


関連イベント
フィオナ・タン《Kingdom of Shadows影の王国》上映会・トークイベントを展覧会会期中に開催します。
日 時:8月7日(日)14:15−15:05*終了しました。
          15:10−16:00
(ゲストによるトーク)
ゲスト:岡村恵子氏(恵比寿映像祭ディレクター/東京都写真美術館学芸員)

日 時:9月11日(日)15:15−16:05(上映時間50分)*終了しました。
           16:10−17:00
(ゲストによるトーク)
ゲスト:岡田秀則氏(東京国立近代美術館フィルムセンター研究員)
会場:クレマチスの丘ホール
   (IZU PHOTO MUSEUMより徒歩2分、隣接会場)
料金:IZU PHOTO MUSEUM入館料のみ(当日有効のIZU PHOTO MUSEUM観覧券が必要です。当日有効の観覧券で、美術館入館以外に映画とトークイベントの両方をご覧いただけます)
定員:150名・先着順
参加方法:お電話にてお申し込み下さい。Tel. 055-989-8780

• 学芸員によるギャラリートーク
日時:7月30日(土)、8月13日(土)、9月10日(土)、10月8日(土)*各回14:15より(所要時間 約20分)
料金:当日有効の観覧券のみ必要です。
お申込み不要(当日美術館受付カウンターにお集りください。)

・富士山プロジェクト
新作「アセント」制作に伴い、約4000枚の富士山写真をご投稿いただきました。
www.izuphoto-museum.jp/fionatan/fujiproject.html

関連書籍情報

① アーティストブック『Fiona Tan: Ascentアセント
7月18日(月・祝)より、IZU PHOTO MUSEUMにて先行販売。本書はIZU PHOTO MUSEUM、De Pont Museum(オランダ)との共同出版です。
※NOHARA BOOKSでは7月17日(日)より販売いたします。
寄稿:伊藤俊治、竹村真一、デヴィッド・カンパニー、フィオナ・タン
サイズ:B5判変型、函入り   頁:3分冊、各80頁  言語:日本語、英語
発行:IZU PHOTO MUSEUM、DE PONT MUSEUM  発売:NOHARA  ISBN:978-4-904257-36-4  価格:本体3,800円+税


② 展覧会ブックレット
IZU PHOTO MUSEUMにて先行販売.。
「フィオナ・タン|アセント」展出品作品のインスタレーションビューなどを含めた展覧会ブックレットです。
サイズ:B5判  言語:日本語、英語  頁:44P、ソフトカバー
発行:IZU PHOTO MUSEUM  価格:本体1,200円+税
アーティストブックとセット価格:本体4,500円+税



◎クレマチスの丘オンライン「NOHARA BOOKS」 でも発売いたします。
©Fiona Tan
アーティストブック『フィオナ・タン アセント』
展覧会ブックレット『フィオナ・タン アセント』


主催|IZU PHOTO MUSEUM 後援|オランダ大使館 助成|モンドリアン財団、オランダ映画基金 協力|ワコウ・ワークス・オブ・アート