「ヨヘン・レンペルト|Fieldwork — せかいをさがしに」展関連イベント
特別レクチャー「せかいをさぐる写真家の眼」
ゲスト:松井 みどり(美術評論家)
日時:2017年2月26日(日)14:30―16:00
会場:クレマチスの丘ホール
《ベラドンナ》 2013年
《対称性と身体構造》より 1995年

レンペルト作品の魅力や現代におけるその意義と可能性について、美術評論家の松井みどり氏にお話いただきます。
日時:2017年2月26日(日)14:30—16:00 *開場14:00
場所:クレマチスの丘ホール *当館より徒歩2分
料金:当日の入館券のみ、要申込
申込方法:電話によるお申込 Tel. 055-989-8780
ヨヘン・レンペルトの写真は、生物や自然をモチーフとしながらも、「愛らしさ」「崇高さ」といった典型的な魅力にこだわらず撮影されています。観察から導かれる「運動」「動態」に着目し、生物間に共通するパターンをあらわにするかのようです。生物学者としての経歴とも関わる、人間の一方的な解釈を押し付けないその姿勢は、世界を再構成するためではなく、写真家としての自身の感覚がつき動かされ、自身と世界との間の個別的な関係が結ばれる有り様を探るための手段として写真を捉えるという創造性をも示唆しています。
本レクチャーでは、レンペルトの写真表現を支える世界との関わり方を、作品分析を通して探ります。そのなかで、作家本人の発言や、動物行動学の先駆けともいえる生物学者ヤーコプ・フォン・ユクスキュルが提唱する「環世界」の概念、哲学者ジル・ドゥルーズによる「内在の平面」(プレーン・オブ・イマネンス)という考え方を引用します。
そのようにして、レンペルトの作品に表れている、人間と動植物の共生へと開かれた「共通感覚」の可能性と、私たちの生きる時代—生物多様性が叫ばれながら、種の絶滅の危機が絶えず、人間が宗教的、政治的、人種的なテリトリーを巡って争い合う—への意義を、みなさまとともに考えてゆきます。
〈ゲストプロフィール 松井 みどり〉
美術評論家。東京大学大学院英米文学博士課程満期退学、プリンストン大学より比較文学の博士号取得。国内外の学術誌や展覧会図録に日本や英米の現代美術の潮流や作家について論文を寄稿。多摩美術大学非常勤講師。


All images © Jochen Lempert. Courtesy BQ, Berlin and ProjecteSD, Barcelona